助成テーマ完了認定企業紹介 088
第112回 令和5年度 第2次
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開発技術の概要 |
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近年、COVID-19をはじめとする感染症、PFAS・ダイオキシンなどの難分解性有機汚染物質、重金属、残留農薬、食品汚染物質など、人の健康や環境に深刻な影響を及ぼす有害物質への関心が急速に高まっている。そのため、自然環境、食品、医療・ヘルスケア、室内環境、産業現場などにおいて、「どの化学物質がどれだけ存在するか」を、前処理なしでその場で計測できる迅速・高感度・高選択的な分析技術が強く求められている。 しかし、従来技術には本質的な限界がある。例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)センサや水晶振動子質量計は高感度な定量分析が可能である一方、物質同定ができない。また、液体クロマトグラフ質量分析装置は高感度な定性・定量分析が可能であるものの、前処理や大型装置を必要とするため、現場でのリアルタイム分析には適さない。このため、「物質同定」と「定量分析」を同時に実現し、前処理不要で現場利用可能な分析技術は実現されていなかった。 そこで我々は、単一のセンサ基板上で、ラマン分光による高感度な物質同定とSPRセンサによる高精度な定量分析を同時に実現する「多目的メタマテリアルセンサ(MMセンサ)」を研究開発した。 MMセンサは、①MM基板、②複合分光装置、③データベース(DB)-解析ソフトの3要素で構成される。本事業では、まずSPR屈折率感度400nm/RIU、ラマン増強感度105倍を実現し、フレキシブル化や自動測定化にも対応可能な高汎用MM基板を開発した。さらに電子ビームリソグラフィ(EBL)技術により、高感度化・高機能化を実現した。次に、DIY型顕微鏡をベースとした小型・低コストの複合分光計を開発し、現場利用の可能性を高めた。さらに、未知多成分試料の成分同定・組成分析のため、高感度ラマンスペクトルDBを構築するとともに、機械学習とケモメトリクスを活用した解析ソフトを開発した。 その結果、「前処理不要」「未知多成分系の物質同定と定量分析の同時実現」「小型・低コスト化」「現場リアルタイム分析」を可能にする新たな分析プラットフォームの実現に成功した。本技術は、環境計測、食品安全、医療診断、産業プロセス管理など幅広い分野への展開が期待される。
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これからの計画 |
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現在実施中の政府系補助金事業では、本MMセンサの事業化に向けて、以下の4つの重点課題に取り組んでいる。 ① EBL-ナノインプリント(NI)技術によるMM基板の量産化 EBLで見出した高性能メタマテリアル構造をナノインプリント法により、低コスト・大量生産を実現することで、MMセンサの社会実装に向けた製造基盤を確立する。 ② 現場分析のためのハンディ型複合分光計の開発 研究室レベルの分析性能を維持しながら、小型・軽量化をさらに進め、環境計測、食品検査、医療・ヘルスケア分野などにおいて、その場で迅速な分析を可能とするハンディ型分光計を開発する。 ③ 機械学習型解析ソフトの高度化 機械学習およびケモメトリクス技術を活用し、未知試料に対する成分同定精度と組成分析精度をさらに向上させることで、多成分・複雑系試料に対する実用的な解析能力を実現する。 ④ 評価機の展開によるデータベース(DB)拡充とユーザー実証 評価用分析装置をユーザーへ貸与し、多様な実試料データを収集することでDBの拡充を進める。同時に、実使用環境からのフィードバックを製品開発へ反映し、操作性・利便性・信頼性を高めることで、市場ニーズに適合した製品へと進化させる。 これらの取り組みにより、3年後の事業化・市場投入を実現することを目指している。 |
企業からのお願い |
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多目的メタマテリアルセンサの社会実装を加速するため、以下の分野で共同研究・技術協力いただける企業・研究機関を募集しています。 ①ハンディ型複合分光器の開発と実証 研究室レベルの分析性能を維持しながら、現場で誰でも利用できるハンディ型複合分光器の開発を進めています。環境分析、食品検査、医療・ヘルスケア、化学プラント管理、農業分野などにおいて、現場でどのような分析ニーズが存在するのか、また、装置に求められる機能・操作性・測定時間・耐環境性などに関する具体的な情報を求めています。実証評価やフィールドテストにご協力いただける企業・団体を歓迎します。 ②DB構築およびAI解析技術の高度化 本技術の性能向上には、多様な実試料データの蓄積が不可欠です。そのため、バイオ・メディカル、環境分析、食品分析、化学分析分野において、ラマン分光DB構築や実試料評価、あるいは機械学習・ケモメトリクスを活用した解析技術開発にご協力いただける研究者、分析企業を広く募集しています。 本プロジェクトは、環境・食品・医療・産業分野における次世代分析プラットフォーム、及び長期的には有害・有毒物質の自動検出と迅速な対策のための安心・安全な社会基盤構築を目指しています。技術協力、共同研究、実証試験など、さまざまな形でご参画いただける企業・研究機関からのご連絡をお待ちしております。 |
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