色素増感型太陽電池(DSC)の測定方法を利用して緑茶等の成分分析方法を開発する。DSCの構造は、透明電極基板に焼付けたアナターゼ型TiO2上に色素を吸着させる。色素吸着後のTiO2と対向させて透明電極を置き電解液を注入すると太陽電池として動作し、中学生レベルであればDSCを組み立てられる簡単な構造となっている。このとき用いる色素として緑茶等を使用すると黄色のDSCとなる。DSCの分析方法は一般的に高価格な計測装置で測定するのであるが、ここでは、市販されている3色のLEDを光源とした簡単な装置を用いて測定を行う。市販LEDは青色(波長:約450nm),緑色(波長:約550nm),赤色(波長:約620nm)付近の可視光帯波長とする。DSCに光源であるLEDを照射すると電流と電圧の曲線が描ける。これをI-V特性と呼び、I-V曲線が大きな値となればDSCとして特性が良いことになる。これまでの研究成果から茶の種類を変えることによりそれぞれの材料で異なったI-V特性が得られている。更に静岡紅茶DSCのI-V特性結果からポリフェノールの一種であるテアフラビン濃度とDSC出力の依存性が観測されている。今後は茶葉の発酵メカニズムも考慮し計測方法の研究を進めてゆく。 |