復興支援新技術開発助成

復興支援新技術開発-04

屋根の雪下ろし作業が不要となる命を救う滑雪塗料

技 術 開 発
契 約 者
KF アテイン株式会社
代表取締役   川又 貴仁
所 在 地
宮城県仙台市
技   術
所 有 者
KF アテイン株式会社
技   術
開 発 者
上記開発契約者に同じ

【技術開発内容】

  雪国における冬場の屋根の雪下ろしは、高齢化が進む中、切実な問題となっている。雪下ろし作業中の死亡事故も毎年多発しており、平成23年度も132名の方が尊い命を失っており、重軽傷者も含めると2,112名にも達している。また、積雪による塗料寿命の低下、氷柱による雨どいの破損、窓ガラス破損というような被害も含め、雪国における冬場の負担額は、膨大なものとなっている。しかしながら、既存の屋根用塗料は、美観・雨漏り防止が主目的であり、塗膜の耐久性から撥水性を持った塗料も開発されてはいるが、雪対策には至っていない。
 申請者は、長年のスキーワックス開発の知見から、雪の滑落において、外気温が-2℃から+10℃で水が存在する場合には、潤滑を阻害する余分な溶け水を排除する目的で撥水剤の添加が必要であること、外気温が-20℃〜-3℃という水が存在しない場合には、雪という固体を滑らせる潤滑剤が必要であることを見出している。このことを基礎として、「滑り性」、「撥水性」、「潤滑性」の3つの機能を持った成分を配合した塗料用添加剤と重機用塗料を実用化している。本開発では、塗料用樹脂や顔料分散の最適化と3つの機能性成分の添加バランスを評価し、作業利便性と雪滑り性の両方に優れた屋根用塗料を実用化する。
 本開発により、雪国の雪下ろし作業にかかる一般家庭の費用軽減、除雪作業による事故防止につながり、経済的にも、社会的にも大きな貢献が期待できる。

図
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